オレンジ、ワシントンネーブル by Ellen Isham Schutt - 1913年 - 17 x 25 cm オレンジ、ワシントンネーブル by Ellen Isham Schutt - 1913年 - 17 x 25 cm

オレンジ、ワシントンネーブル

水彩、紙 • 17 x 25 cm
  • Ellen Isham Schutt - 1873 - 1955 Ellen Isham Schutt 1913年

エレン・アイシャム・シャットは、20世紀初期に活動した米国農務省の果樹栽培部門のアメリカ人植物イラストレーター。それは国内の果実の登録のために設立された部門です。彼女はそこで1904年から1914年まで働き、その期間に700以上もの果実やナッツの水彩画を描きました。主題はありふれた果実(例えばリンゴやヒッコリーの実)から異国の果実(ベールフルーツ、カスタードアップル、カシューナッツなど)まで多岐に渡りました。相当数に、カビや害虫、その他の原因による果実への損傷が認められます。精密でどちらかといえば飾り気のないスタイルの彼女の水彩は、ときにスケッチというより絵画のようです。彼女は米国農務省用の水彩に「E.I. Schutt」とサインを入れました。また、長期保存や包装による影響を明示するため、リンゴや梨などいくつかの果実の模型を蝋で作りました。

1911年にはカリフォルニア大学が、病気・虫害から貯蔵による損傷までの幅広い状態がわかる、地元で育ったリンゴの水彩画をシャットに依頼しはじめました。とある学者は、この“超写実的”な絵の連作は、完璧なリンゴ、もしくは普通のリンゴという観念の暗黙の表現であり、腐敗のような自然の力を制御したいという革新主義時代の切望に都合のよいイメージに等しい、と主張します。

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