画家の妻 by Laurits Andersen Ring - 1897年 - 191x144 cm 画家の妻 by Laurits Andersen Ring - 1897年 - 191x144 cm

画家の妻

油彩 キャンバス • 191x144 cm
  • Laurits Andersen Ring - 15 August 1854 - 10 September 1933 Laurits Andersen Ring 1897年

残念ながら、毎週日曜日にお届けしてきたコペンハーゲン国立美術館月間も、今回が最終週となりました。でもご安心ください。デイリーアートではこちらの美術館の名作を、これからも引き続きご紹介していきます。素敵な日曜日になりますように!

L.A. リングは1896年に結婚し、妻となったジグリット・ケーラー(1874年から1923年)のこの絵を翌年に描き上げました。当時彼は42歳、ジグリットは22歳。何人もの美術史家達が揃ってこの絵を、彼が喜びに弾む心で、孕っている妻への愛の告白として描いたのだと解釈しているのも無理からぬことです。

新しく手にした幸せと希望、そして咲き誇る花がひと所に集まっている様子は、まるで命の対極にあるものや死への自覚のように見え、それが根本的かつ、リングがおそらく作品の中で取り扱い、試みたかったテーマになっています。

リングは無神論者で、このような経験を多くの作品に描いています。この絵の中で彼はジグリットのお腹と枝ぶりの悪い木を対比させることで、このテーマに取り組んでいます。命の芽生えをも取り囲む危うさが、人と自然の両方にあるのです。

この絵はオランダ人画家たちが1900年前後に描いた、妻や他の女性を描いた重要な肖像画のうちの一つに数えられています。これらの絵画は女性が、ロマン主義時代の肉体と知性の両方において消極的な良き母親というイメージから徐々に解放され、更なる自立や静かな自信、そして肉体と頭脳が一体となった落ち着いた女性像へと向かっていくという認識を示しています。