エドモンド・ブレア・レイトンは19世紀後期から20世紀初期のイギリスの優れた画家で、ヴィクトリア朝のロマン派画家として知られています。彼は中世やテューダー王朝時代の主題や、騎士の肖像といった極上の作品で賞賛を得ました。
彼の作品は、美術愛好家を虜にするものであっただけでなく、過去を覗く窓でもあり、たとえ感傷的に表現されていたとしても、優雅さと緊迫感の両方が鳴り響く、歴史的瞬間を垣間見せてくれます。
本作でレイトンが描いたのは、新任のガヴァネス(訳注:個人宅などに雇われる女性家庭教師)が、新しい職場、具体的には戸口に示されるように、女子専門学校へ到着したところです。鑑賞者は、若い専門家がどのように新たな雇用主の敷地へ踏み出していくのかを見ながら、レイトンの画風の特徴である優美さと、新人の明らかな不安の両方を感じることができます。窓の向こうで好奇心旺盛な子どもたちが入り口をじっと見つめ、新しい保護者の下で、何が彼女らを待っているのかを見極めようとしています。
レイトンの技巧は、非常に微妙な差異をとらえられるほどに熟達しています。彼は見事に、布地や、光と影の動きを描写し、絶妙な表情をとらえ、日々の暮らしで繰り広げられるドラマへ鑑賞者を引き込んでいきます。彼の美術作品に込められた物語は、私たちへ、社会的な力学と過ぎ去った時代への思いを馳せさせるのです。
- Maya M. Tola
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