真珠の耳飾りの少女 by Johannes Vermeer - c. 1665 - 45 x 39 cm 真珠の耳飾りの少女 by Johannes Vermeer - c. 1665 - 45 x 39 cm

真珠の耳飾りの少女

油彩 キャンバス • 45 x 39 cm
  • Johannes Vermeer - 1632 - December 1675 Johannes Vermeer c. 1665

今日の素晴らしい作品はじめ、ハーグのマウリッツハイス美術館の偉大なコレクションの中から3週連続で日曜日に傑作をお届けできることを感謝します。お楽しみください!

首をかしげ、肩越しに我々に視線を向ける若い女性。その青みがかったグレイの目は輝き、口元は少し開き、唇は潤いをたたえています。黄色と青の2本の布はターバンのように頭に巻かれています。 耳には真珠の耳飾り。ヨハネス・フェルメール(1632年〜1675年)はこのアクセサリーを絵の中心にしています。 この真珠は本物にしては大きすぎます。ガラスで複製されたものか、もしくはフェルメールの想像上の真珠かもしれません。

この絵から彼の技術の確かさがわかります。少女の顔の柔らかな感じは 必要最小限で控え目な筆遣いの中で表現されています。それに対して衣服は丁寧に描き込まれていて、フェルメールの作品のトレードマークとも言える光の反射が表情を添えています。白い部分は厚く塗られていますが、高価だったウルトラマリン絵具を使ったターバンの塗り方は浅く、素材もきっちり使い分けています。 

この絵の最大の魅力は、潔いタッチで描かれた真珠です。左上には明るい輝き、そして下方には衣服の白が柔らかく写っています。 17世紀オランダの少女がターバンをつけることはまれでした。しかしフェルメールはターバンを描くことでエキゾチックで東洋的な演出を試みたのでしょう。レンブラントもこのような「トローニー」と言われる絵を多数描いています。それらの絵はそっくりに描くことが目的ではないため、肖像画とは見なされていません。おそらく実在の人物が描かれていたと思われますが、トローニーは人物の様々なキャラクターや表情を描き分けるための習作でした。

この絵が一般に知られるようになったのは1881年、ハーグのオークションハウスに出品された時でした。美術蒐集家A.A.トンベはギルダー銀貨たった2枚と手数料30セントで、誰にも顧みられていなかったこの絵を購入したのです。1902年12月6日にトンベが亡くなると、この「真珠の耳飾りの少女」を含む12枚の絵画がマウリッツハイス美術館宛に遺されていることがわかりました。この絵は世界で最も愛される絵の一つとなり、「オランダのモナリザ」と呼ばれています。


フェルメールが描いた若い女性の絵にまつわる物語を読みたい方はこちらをどうぞ。

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