夕方 by Wassily Kandinsky - 1902-1903年 夕方 by Wassily Kandinsky - 1902-1903年

夕方

油彩、キャンバス •
  • Wassily Kandinsky - December 16, 1866 - December 13, 1944 Wassily Kandinsky 1902-1903年

1910年から、初期の抽象画家だとされているワシリー・カンディンスキーは、画家であり版画家、そして美術理論家でした。彼はモスクワで法律、経済、民俗学を学び、同時に美術への関心を高めていきました。1896年のモスクワでの印象派展の後、タルトゥの大学で教授という立場があったにも関わらず、30歳にして画家になることを決意します。彼はミュンヘンに居を構えましたが、知見を広げるためにたくさん旅をし、1908年、ルドルフ・シュタイナーと彼の哲学に出会います。それは画家としてのカンディンスキーに大きな影響を与えました。彼はフランツ・マルクとともに「青騎士」という芸術年間誌を立ち上げました。第一次世界大戦の初めにロシアへ戻り、革命のあと、そこで前衛芸術を共同制作しました。

やがてドイツへ戻り、バウハウスで教鞭をとりました。ナチスがドイツを支配し、1932年にバウハウスが閉鎖すると、彼はフランスへ行きました。彼は、ロシアでは、マレーヴィチ、タトリン、ロドチェンコと、ドイツではクレー、ヤウレンスキー、ファイニンガーと、フランスではシャガール、アルプ、ミロと親交がありました。「夕方」はミュンヘン時代に制作されたもので、画家が「幻想的な風景と構成」と呼んでいた作品グループに属します。カンディンスキーと当時のパートナーのガブリエレ・ミュンターは、バイエルンのケッヘル湖の景色を描きました。たそがれ時の暗い色調と、主題の表現、キャンバスの構造、そして柔らかく表現された立体の造形は、雰囲気に富んだアール・ヌーヴォーの象徴主義を思い起こさせます。モネの《積みわら》に感じ取れるような雰囲気ですが、画家はその絵をモスクワで目にしていたでしょう。

1926年の、カンディンスキーの貴重なドローイング映像を見たい方はこちらへどうぞ。