めまい

レオン・スピリアールトはあまり有名ではありませんが、彼の絵を見たら息を吞むに違いありません。ロンドンのロイヤル・アカデミーで2月23日からスピリアールトの展示会が開催されるので、きっと彼の作品はもっと人気が出るでしょう。

スピリアールトの作品は、ドラマチックな視点と静かな光を特徴とし、一連の不思議な自画像と、独特の雰囲気を醸し出すオステンドの街の夜景の絵で知られています。自己の姿の描写へのこだわりと際立つ孤独感は、彼をエドバルド・ムンクやビルヘルム・ハンマースホイらのヨーロッパのモダニストと並び称される存在にしています。スピリアールトの多くの作品は、強い疎外感と哀愁を帯びた雰囲気に満ち、絵から感じるのは、孤独、神秘、幻影といったイメージです。

「めまい」には特別な芸術的価値があります。スピリアールトは、不安定な場所で強風に翻弄されている、孤独で取り乱した人物を描いています。強い色の対比、らせん状の階段、真っ暗な深淵に引きずり込む力を描き込むことで、めまいがするような感覚を表現しているのです。

また明日！

P.S. 「ひとりぼっち」、寂しい孤独の物語はこちら。