ポンペイのフレスコ画「シードラゴン」 by Unknown Artist - 1世紀頃 - 148 x 51 cm ポンペイのフレスコ画「シードラゴン」 by Unknown Artist - 1世紀頃 - 148 x 51 cm

ポンペイのフレスコ画「シードラゴン」

フレスコ • 148 x 51 cm
  • Unknown Artist Unknown Artist 1世紀頃

201892日に、ブラジル国立博物館が焼失してから、数週間がたちます。何が失われてしまったのかを完全に把握することはできないかもしれませんが、このポンペイのフレスコ画が失われたものの一つであることは言えるでしょう。

イルカを従えた、この曲がりくねったシードラゴンは、イシスの神殿(公会堂としても知られています)の、信者たちが集う部屋の壁の低い位置に飾られていました。パネルの大きさは148 x 51cmで、1世紀に制作されました。これは、神話や静物画など、さまざまなジャンルが混在する複雑な様式のとても良い例です。この様式は、絵に幻覚的に見えるよう描く技術と、豊かな装飾性を与えます。装飾的な様式であり、公的な建物でも、私的な建物でも、壁画に使用されました。ポンペイの住人の目にとっては、とても現代的で大胆に映ったかもしれません。

 16世紀のポンペイの再発見では、今日の一枚のような多くの美しいフレスコ画が灰の下から見つけ出されましたが、それは同時に、フレスコ画を危険にさらしました。というのも、フレスコ画の湿った漆喰の上に顔料を乗せる技術はとても繊細で、単に空気に触れるだけでも損なわれてしまうためです。馬またはシードラゴンを描いたこのフレスコ画は、イルカを描いた同じようなサイズのフレスコ画と対になっていましたが、神殿の遺跡から取り外され、ブラジルの博物館に寄贈され2枚あわせて展示されていました。2枚は、大規模火災により最初は保存され、そして破壊され、現在は両方とも失われてしまったと考えられています。 

アンジェラ・グン