マリー・ファンタン=ラトゥール嬢の肖像画 by Henri Fantin-Latour - 1859年 - 60.5 x 85.5 cm マリー・ファンタン=ラトゥール嬢の肖像画 by Henri Fantin-Latour - 1859年 - 60.5 x 85.5 cm

マリー・ファンタン=ラトゥール嬢の肖像画

油彩、キャンバス • 60.5 x 85.5 cm
  • Henri Fantin-Latour - January 14, 1836 - August 25, 1904 Henri Fantin-Latour 1859年

アンリ・ファンタン=ラトゥールは初期の印象派の画家たちと交際し、そうでない画家とも交流しましたが、中でもマネとは、マネが亡くなる1883年まで友人であり続けました。しかしながらファンタン=ラトゥールの作風は同時代の画家たちとは異なっており、より現実的な形で描くことを好み、より落ち着いた情景を生み出すために灰色や土のような色調を用いました。  

妹を描いたこの肖像画は、1859年のサロンでは未完成品であるとして落選しました。ファンタン=ラトゥールはあえて顔と両手を描くことに集中し、衣服と背景は単に塗りつぶしたままにしておいたのです。その代わりにファンタン=ラトゥールの作品は、サロンに落選した他の作品とともに、後に「Bonvin’s Atelier Flamand」として知られるようになった、画家フランソワ・ボンヴァンのアトリエで展示されました。

1861年にマリー・ファンタン=ラトゥールを描いた似たような肖像画はサロンで展示されましたが、その時はポーズも異なり、背景にも装飾が多くなされていました。

P.S. アンリ・ファンタン=ラトゥールと美術におけるワグネリズムのつながりについてはこちら