けしの咲く野 by グスタフ クリムト - 1907年 - 110 x 110 cm けしの咲く野 by グスタフ クリムト - 1907年 - 110 x 110 cm

けしの咲く野

油彩/カンヴァス • 110 x 110 cm
  • グスタフ クリムト - 1862年7月14日 - 1918年2月6日 グスタフ クリムト 1907年

今日は、グスタフ・クリムトらしからぬ1点です。この作品が描かれたのは1907年ですが、当時クリムトは印象派のスタイルに触手を伸ばしつつ、伝統的な写実主義の技法も取り入れていました。この間、クリムトは画家仲間から距離を置き、彼のトレードマークとなった、画面を金片で覆ったモザイク画のような様式からも離れ、風景画に取り組んでいました。画家はアッター湖で幾つかの夏を過ごし、寓意性に富んだ肖像画や抽象化された象徴主義、細部にこだわった写実主義といった作風を離れ、身の周りにある美を表現することに傾倒していました。この試みは、いわゆる「金の時代」に代表されるアールヌーヴォー様式ほどの評判を得ることはありませんでしたが、これもまた魅力的ですね。(緑が美しい!)

夏も終わりに近づきつつある中、この絵が気晴らしと思い出になりますように。

P.S. クリムトと言えば『接吻』が目に浮かびますが、他にも沢山の作品があります!アールヌーヴォーの巨匠が遺した美しい風景画の数々。樹々を描くことを好んだクリムトの物語はこちら