教会のマリア by Jan van Eyck - c. 1425 - 31,1 x 13,9 cm 教会のマリア by Jan van Eyck - c. 1425 - 31,1 x 13,9 cm

教会のマリア

オーク油絵 • 31,1 x 13,9 cm
  • Jan van Eyck - before c. 1390 - July 9, 1441 Jan van Eyck c. 1425

神の母であるマリアとその子が、光いっぱいのゴシック聖堂の身廊で、実物よりも大きく見えます。それ姿はまるで空に浮いているかのようです。全てが貴重な原石のように放射状に広がり、きらびやかにひかり、弾けています。卓越した芸術技法を用い、ジャン・ヴァン・エイクは、パネル全体が一刺しの光が拡散される強い反響性を色を用いて表現しています。神と処女マリア両者のシンボルとして、光が、この小さな絵画の中で唯一重要となります。しかしここで描かれている光は日光ではありません。通常、東に対して伸びる教会の回廊の方向を考慮すると、北から光が来ていることがわかります。これが意味するのは永遠であり、聖なる光です。教会内に神が降臨し、そして母とその子が天国の光に照らされているヴィジョンそのものです。 現実と宇宙とはほとんど区別できないものであることを表しています。マリアの後ろに灯された二つのろうそくを見てください。これらは聖堂に立つ処女マリアのように見える像です。回廊のずっと奥に、キリストの十字架像があり、それが歌を歌っている派手に着飾った天使たちを温かい目で見守っています。その彫刻はあるヴィジョンを示しています。イエス、画面手前で母の腕に守られいる赤ん坊が絵の後方で犠牲的な死を予見する、というヴィジョンです。この絵はまた鑑賞者に遠く離れた世界、つまり現実正解に近いのと同時にそこから一歩離れた世界を伺わせてくれます。図像学の権威として知られるアーウィン・パノフスキーはこれを顕微鏡と望遠鏡を同時に通じて見ているようだと表現しました。

ベルリン絵画館Gemäldegalerieがこの傑作を出展してくれました。

追伸:中世の別の作品(ジオット作の有名なオグニサンティ・マリア)と処女マリアの素晴らしい図画をここで比べてみてください。