聖母子像 by Giovanni Antonio Boltraffio - 推定1495年 - 45.5 x 35.6 聖母子像 by Giovanni Antonio Boltraffio - 推定1495年 - 45.5 x 35.6

聖母子像

テンペラ画 • 45.5 x 35.6
  • Giovanni Antonio Boltraffio - 1466 - 1516 Giovanni Antonio Boltraffio 推定1495年

今日の作品をご紹介するにあたりポルディ・ペッツォーリ美術館に協力していただきました。2月10日まで開催中の「レオナルドと小さなマドンナ」では1490年から1510年までの間レオナルド・ダ・ビンチと弟子達が作り出した20点(10点の絵画、9点のデッサン、木版画)をご覧いただけます。

ジョヴァンニ・アントーニオ・ボルトラッフィオは1482年にミラノへ移ったレオナルド・ダ・ビンチの弟子達の中でも最も興味深い。彼がレオナルドの元で学んだ事は1480年代後半に仕上げられたこの作品からも明らかであり、デッサンは師レオナルド自ら手がけたとも言われている。

聖母と子の構成、特にその動きの描写からもトスカーナの巨匠に影響を受けたことは明らかである。溢れんばかりの生命力はレオナルドとその弟子達独特の演出だ。写実的に描かれた聖母のドレスには花のモチーフが施されている。

この中にはイエス・キリストによる人類の救世を象徴するアザミも含まれていて、他にも近代のイコノグラフィーに沿って意味を持つ花も描かれている。聖母の手元にあるジャスミンは彼女の清純さ、また左下のバラはキリストの受難を表している。作品全体がキリストの犠牲を比喩しているとも見て取れる。どこか悲しげな表情の聖母、意志の強そうな子の目付きからも贖罪を仄めかしている。オックスフォード大学のクライスト・チャーチではジョヴァンニ・アントーニオ・ボルトラッフィオがうっすらと青い紙に手がけた聖母の外套がある。

ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリが1864年に購入したこの作品は15世紀ロンバードの名作のひとつとされている。

P.S. レオナルド・ダ・ビンチについて11個の豆知識、こちらからどうぞ!