眼

今日の作品は、ポーランドのカトヴィツェにあるシレジア美術館とINGポーランド芸術基金の協力で紹介しています。同館の「精霊と童話」展にも展示されていますよ。

カロリーナ・ヤブロンスカは、連作が最も自分に合っていると言っています。一連の作品を通して同じモチーフを扱うことで、様々なパターンの表現に取り組むのです。ここでは眼、凝視、見つめられるといったことがテーマです。彼女は、対象物の大きさや構図、奥行きを自在に操ります。絵に視線を吸い寄せられた鑑賞者は、3つ目の眼になったかのようです。この絵の前に立った人は一人の観察者となり、描かれた眼と出合いがしらに相対します。ヤブロンスカは２つの眼を至近距離に近接させて描くことで、凝視し合うことで生じる誘眠を打ち消し、アイコンタクトの力を表現しようとしました。彼女は、この作品の色彩表現は、デビッド・リンチ監督の映画作品に触発されたものだということを明らかにしています。

P.S. クロード・モネの眼を通して見た世界をこちらでご覧ください。