サンディエゴ美術館との提携月間はまだまだ続きます :) お楽しみあれ!
サンディエゴ美術館所蔵のイタリアの絵画のコレクションの中でも主要な名画である、ジョルジョーネの《男性の肖像》(以前の所有者の名前からしばしば “Terris Portrait”と呼ばれる) は、本当にアメリカにあるルネッサンスの絵画の中で最も優れたものの一つです。この作品はヴァザーリが「今風の様式」と呼んだものの典型例で、ジョルジョーネが「生きた自然の物」を描こうとして探求したものです。15世紀の絵画によく見られる彫刻のような表面の質感とは著しく対照的に、ジョルジョーネの筆さばきは精細さには欠けるものの、温かく生身で柔らかい髪を表現する力に関してそれ以前のいかなる画家たちをも超えています。構図としてはモデルの髪の周りで切り詰められており、肖像画に命を吹き込むためにしばしば用いられる背景や小道具もありませんが、それでもなお男性のこちらをじっと見つめる視線と曖昧な表情は、作品全体を魅力的で生き生きとしたものにしています。男性の物憂げな様子は作品の暗い色調によって強調されているように見えますが、科学技術による調査の結果、男性が着ている今は黒色の上着は、元々青と赤の顔料で塗られており、時が経つにつれて色が暗くなったということが明らかになりました。この真剣な顔をした男性は、元はといえば華やかな紫色の上着を着ていたのです。
ジョルジョーネについて知るべき全てのことはこちら (結局何者なのかは検討もつかないんですけどね ;)