ジェームズ・ティソは、1871年にロンドンに引っ越すと、彼の地の生活に馴染み、雑誌”ヴァニティ・フェア”の仕事や、テムズ川を背景にした風俗画の制作にいそしみました。この作品は、ティソのロンドン時代の代表作の一つ『悪い知らせ』(カーディフ、国立ウェールズ美術館所蔵)の左の部分を再度描いたものです。『悪い知らせ』では、プール・オブ・ロンドン(訳注:テムズ川に接するロンドン中心部の岸辺)を背景に、差し迫った召集の知らせを受け取った将校とその恋人が、お茶の仕度をする友人の姿とともに描かれています。この作品の背景は、テムズ川の流れの奥に見える大都会の景観です。ティソの友人だったドガは、鉛筆による本作の習作を持っていました。細部まで是非ご覧ください!
ジャック・ジョセフ・ティソは、フランスの画家、イラスト作家でした。パリで画家として成功した後、1871年にロンドンに移住します。ティソは、流行のドレスに身を包んだ女性を、日常生活の様々な姿で描く風俗画家として有名になりました。
P.S. アートの中のお茶はいかがですか? 椅子に座ってこちらをご覧ください。