ロバート・ダンカンソン(1821/2-1872) は美しい風景画で知られる北米の画家です。彼はアメリカの風景画家グリープ、ハドソン・リバー派の初期のメンバーで、アフリカ系アメリカ人として最初に成功した画家でもあります。この「虹の風景」は非常にダンカンソンらしい絵と言えるでしょう。虹がかかったのどかな田舎の風景。男女が散策するすぐそばでは牛が草を食んでいます。遠くかすかに建物が見える以外には、文明の気配はほとんど感じられません。ダンカンソンはアメリカやカナダ、それにイギリス諸島の風景をもとにこのような理想郷の絵を多数描きました。また少数ではありますが優れた静物画や人物画、物語画も残しています。彼の風景画ではこのような壮麗な大気現象がしばしば主題となりました。南北戦争の間ダンカンソンはカナダに移住し、そこでカナダ風景画運動の影響を受けたと思われています。
- アレクサンドラ・カイアリー
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