ジョン・ホワイト・アレクサンダー (1856~1915年)は、室内の女性を描いた美しい肖像画で知られるアメリカの画家です。
ニューヨークでイラストレーターとしてキャリアをスタートさせたアレクサンダーは、画業に専念すべく職を捨て、絵の勉強のために海外で数年間を過ごします。パリに10年間住み、芸術の新しい潮流をリードする画家として名声を獲得した彼は、芸術のための芸術を標榜し、作品に込められた深い意味より、美しさそのものに重きを置いた耽美派の一員でした。1891年にニューヨークに戻り、肖像画家として大きな成功を収めました。
『安息』(1895年)に描かれているのは、白いシルクのガウンの裾をゆったりと広げ、物憂げに寝具にもたれかかる女性。滑らかかつしなやかな曲線を用いた表現には、アールヌーヴォーの影響が見られます。流れるような筆遣いと、ぼんやり照らされた背景は、夢の記憶を呼び覚ますような雰囲気を生み出し、女性はまどろみからちょうど目覚めたかのようです。柔らかな縁と微妙な色合いの豊かさによって、画面に静穏さが広がり、絵の美しさが増しています。
アレクサンダーの作品は個人所蔵のものもありますが、全米の美術館でも見ることができます。
穏やかな土曜日をお過ごしください!
- Heidi Werber
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