凧揚げ

この絵はゴヤ（1746～1828年）にしてはかなり陽気な主題に見えますが、その理由はおそらく、これがタペストリーの下絵（織物用にデザインされた絵）だからでしょう。本作は、２人のスペイン国王（カルロス３世とカルロス４世）統治下の王室からの注文で、1775年から1791年にかけて制作された63点の下絵の１点。『凧揚げ』に描かれているのは、若い男女が集う様子です。中央の4人の人物が凧揚げに夢中になっている一方で、他の人物はお互いに注意を向けています。（前景に座って煙草を吸っている若い男だけは例外）前景の右側の犬は当惑した様子です。 

この絵が描かれたタペストリーは、歴史的に王家の離宮だったエル・エスコリアル宮殿内の、スペイン国王の推定相続人（アストゥリアス公、アストゥリアス女公）が使うダイニング・ルームのために制作されました。

- Sarah Mills

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