少女の肖像

ワルシャワ・ゲットー蜂起は、ポーランドのワルシャワで1943年4月19日に始まりました。それは、第二次世界大戦中のドイツ占領下のポーランドで、ナチス・ドイツが、ゲットーにとどまる住民をマイダネクとトレブリンカの強制収容所へ移送しようとした最後の作戦に対する、ユダヤ人住民の抵抗運動でした。ゲットーが警察の指揮者、ナチス・ドイツ親衛隊少将ユルゲン・シュトロープへの降伏を拒絶した時にその蜂起は始まりましたが、彼は区画ごとにゲットーの焼き払いを命じました。蜂起は5月16日に終わりました。合計で13,000人ものユダヤ人が亡くなり、およそ半数は生きたまま焼き殺されたり、窒息死させられました。これは第二次大戦中、ユダヤ人による最も大きな反乱でした。ユダヤ人は、この蜂起は失敗に終わり、生き残れる見込みは少ないと分かっていました。

今日は、ゲラ・セクシュタインというユダヤ人画家の作品を紹介します。彼女はおそらくその蜂起中に、ワルシャワのゲットーで亡くなりました。戦争が勃発しゲットーが設けられた時、彼女は夫とともに、ゲットーの文化生活やユダヤ社会の自助に従事していました。彼女は、子供のための慈善食堂で保護者および美術教師として働き、地域の学校でも教師として働きました。子どもの美術作品展を企画したり、劇場のショーのために衣装や装飾を制作したりしました。彼女は娘や夫、学校で働く人、その社会の食堂に集まる子どもたちの姿を描きました。彼女の唯一の肖像画は、この頃描かれました。

彼女の作品は現在では、いわゆるリンゲルブルム・アーカイブによってのみ知られています。それはユダヤ人歴史家エマヌエル・リンゲルブルムが先導した、「オネグ・シャバット」というコードネームで知られるグループが収集・保存した、第二次世界大戦下のワルシャワ・ゲットーの記録物です。歴史家、ライター、ラビ（訳注：ユダヤ教の指導者）、ソーシャルワーカーなどで構成されたそのグループは、ドイツ占領下のゲットーの暮らしを記録に残すための集団でした。彼らはチームで活動し、文書を集めたり、あらゆる年代の多数のボランティアに証言や報告を懇請しました。提出された資料は、エッセイ、日記、線画、ポスター、その他ゲットーの暮らしを描写したものなど。収集活動は1940年9月に開始され、1943年1月に終了しました。収集品は、2つの牛乳缶と10個の金属製の箱に収めて地面に埋められ、戦争後に掘り起こされました。

こちらからアンナ・マイフロウスカの書いた、ゲラに関する記事が読めます。今日の傑作は、リンゲルブルム・アーカイブを所蔵するワルシャワのユダヤ史研究所のご協力で紹介しました。

P.S. こちらでは、ゲットーを脱出し戦争を生き延びようとしたユダヤ人女性画家、エルナ・ローゼンスタインについて読めます。