エドガー・ドガは、フランス印象派の重要な画家ではただ一人、アメリカを旅して、アメリカ的な題材を描いた画家です。ドガ自身はフランスで育ちましたが、母親はニューオーリンズ生まれのクレオール。ドガは自らを “fils de Louisiane”ールイジアナの息子ーと呼んでいました。1872年の秋からの5ヶ月間をニューオーリンズで過ごし、多くの親戚や友人を訪ねています。ドガが来た頃のニューオーリンズは、ポスト・リコンストラクション(訳注:リコンストラクション=南北戦争後の国家再建)の真っただ中。画家は、混乱の時代を捉えた一連の作品を制作しました。盲目の義妹エステル・ミュソン・ドガを描いたこの肖像画は、衰えつつあった自身の視力に折り合いをつけるために制作されたのかもしれません。一方でこの作品は、英語を話す新しいアメリカ人入植者の波に飲まれ、どんどん隅に押しやられて急速に失われつつあった、フランス語を話すクレオールの生活様式を描写しています。
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