チェス by Sofonisba Anguissola - 1555年 - 72 × 97 cm チェス by Sofonisba Anguissola - 1555年 - 72 × 97 cm

チェス

油彩/カンヴァス • 72 × 97 cm
  • Sofonisba Anguissola - c. 1532 - November 16, 1625 Sofonisba Anguissola 1555年

今日はアムステルダム国立美術館の協力で、ルネサンス期の女流画家の傑作を紹介します。今日の作品は、2021年10月1日から2022年1月16日まで開催中の、ルネサンス期の肖像画を集めた展覧会『私を思い出して。デューラーからソフォニスバまで、肖像画の数々』に展示されています。

1555年にソフォニスバ・アングイッソラが制作した肖像画には、温かい家族の絆と、出自と家柄の大切さの両方が表現されています。そこに描かれているのは画家の3人の妹ルチア、エウロパ、ミネルヴァと女中がチェス盤を囲む姿。チェスには、親密な雰囲気と姉妹の仲の良さを強調する道具としてだけでなく、家族の身分を表す象徴としての意味合いもあります。貴族にふさわしい知的な娯楽としてのチェス、東洋のテーブル・クロス、姉妹がまとっている高価なドレス。これら家族のステータスの証を、女中が興味深げにじっと見つめています。

画家、美術史家のジョルジョ・ヴァザーリが1566年にクレモナにあるアングイッソラ家の邸宅でこの絵を見たという記録が残っていることから、これは元々あった場所が特定されている稀有な肖像画でもあります。その時にはルチアとミネルヴァは既に亡くなっており、ソフォニスバ自身はスペインで女官兼画家として働いていました。その家に家族皆が住んでいた頃は、この集団肖像画は、仲睦まじい貴族一家の理想の生活の証だったことでしょう。そして、一人ひとりが遠く離れた地や、あるいは天国に旅立って、家族が離れ離れになった後には、大切な思い出の絵になったに違いありません。 

チェス盤にあからさまに刻まれている作り手のフルネームの署名を見る人が見れば、これが由緒正しい家族の肖像だということは一目瞭然でした。

P.S ソフォニスヴァって本当に素晴らしい人です!!彼女の人生についてはこちらの記事もぜひお読みください!

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