アレン兄弟(ジェームズとジョン・リー・アレンの肖像) by Henry Raeburn - 1790年代初頭 - 152.4 x 115.6 cm アレン兄弟(ジェームズとジョン・リー・アレンの肖像) by Henry Raeburn - 1790年代初頭 - 152.4 x 115.6 cm

アレン兄弟(ジェームズとジョン・リー・アレンの肖像)

油彩、キャンバス • 152.4 x 115.6 cm
  • Henry Raeburn - 4 March 1756 - 8 July 1823 Henry Raeburn 1790年代初頭

ヘンリー・レイバーン―独学のスコットランドの画家-は、「アレン兄弟(ジェームズとジョン・リー・アレンの肖像)」で、素晴らしい技術を示しています。この二人の肖像画では、兄が横顔で、弟は正面を向いて描かれており、動きや姿勢も対比的になっています。鑑賞者は、描かれた瞬間-冒険に出かける準備をしているようです―の彼らの若々しいエネルギーを感じることができます。二人は馬上槍試合の真似をしているのか、(それとも単に古い帽子を棒で突っついているだけなのか)、それでもきちんとした格好をしており、注意深く姿勢をとっています。一人は立っており、一人は木のベンチの手すりにまたがって座っています。絵の中心は兄弟ですが、空もベンチも背景も、多数の色を使った幅広い筆致で慎重に描かれています。

 

レイバーンは、15歳の時にエジンバラの金細工師の見習いをはじめ、1770年代に小さなサイズの肖像画で才能を開花させました。この成功により、彼は、大きなサイズの油彩画を描くようになり、彼の才能が広く認められるようになりました。彼は、裕福な女性と結婚して財政的に安定したことで、ジョシュア・レイノルズ―当時、ロンドンの王立アカデミーのトップでした―に会えるようになり、また、過去の偉大な画家の作品を学びにイタリアに旅行したりできるようになりました。彼はその後、スコットランドに戻り、肖像画家としての長いキャリアを全うしました。実際のモデルだけで制作することにより(彼は予備的なスケッチを信じていませんでした)、モデルの性格を的確につかんでいます。また色や光の扱い方も、革新的で想像力に満ちたものです。小さなサイズの絵を描くことにより培われた技術は、大きな絵を描くキャリアに向けた良い準備となりました。

 

ブラッド・アラン