花瓶の花 by Maria van Oosterwijck - 1670年代頃 - 73.7 × 55.9 cm 花瓶の花 by Maria van Oosterwijck - 1670年代頃 - 73.7 × 55.9 cm

花瓶の花

油彩/カンヴァス • 73.7 × 55.9 cm
  • Maria van Oosterwijck - 1630 - 1693 Maria van Oosterwijck 1670年代頃

今日は日曜日。私たちの新しいパートナー、デンバー美術館の所蔵作品を紹介します。

マリア・フォン・オーステルウィックが活躍した時代、オランダの人々は花に夢中でした。花は当時のオランダでは珍しく、とても高価なもの。東洋から球根や種を輸入しなければならず、花園を楽しむ余裕があったのは富裕層だけでした。それ故、花、とりわけチューリップはステータス・シンボルだったのです。

人々はオランダの寒い冬の間、本物より長く楽しめる花の絵で春を感じたのです。それは、神の恵みの証でもありました。花の絵では特に多様性に重きが置かれ、構図全体を美しく、心地よく見せるには花の種類の多さが肝だとされていました。この作品では、様々な種類の花、葉、それぞれの花の位置、花が咲いて枯れていくまでの様々な生育過程の姿などによって多様性を表現しています。

花の絵で知られるマリア・フォン・オーステルウィックは、本物を直接スケッチすることで個々の花と葉の細部を捉えて描写しました。この絵に描かれた花は、それぞれ開花時期が異なるので、現実には一斉に咲き誇ることはありません。例えばチューリップは春の花、ひまわりは夏の花。フォン・オーステルウィックは、自分の目で観察してスケッチした個々の花を組み合わせて、架空のブーケを創り出したのでしょう。

P.S. オランダ黄金時代には意外に多くの女流画家がいました。その内の7人を紹介します。

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