聖ゲオルギウスと竜 by Paolo Uccello - 1470年頃 - 55.6 x 74.2 cm 聖ゲオルギウスと竜 by Paolo Uccello - 1470年頃 - 55.6 x 74.2 cm

聖ゲオルギウスと竜

油彩/カンヴァス • 55.6 x 74.2 cm
  • Paolo Uccello - 1397 - December 10, 1475 Paolo Uccello 1470年頃

竜を手なずけた後にその息の根を止めた聖ゲオルギウスの物語は、中世に愛されました。ルネサンス期のフィレンツェの画家パオロ・ウッチェロは、1枚の小ぶりでかなり風変わりな絵の中に、物語の2つのパートを融合させています。竜の頭に槍を突き刺す聖ゲオルギウス。竜の身体の奇妙なラインが、洞窟の入口の形状と呼応しています。蝶の羽を持った竜は漫画のキャラクターのよう。優雅な王女は、竜の首に結びつけた紐を退屈そうに持っています。物語の舞台は不気味なものだらけ。不ぞろいの芝生は、庭師の悪夢を想像させます。

この絵が誰の注文で描かれたのかはわかっていませんが、宗教的要素のない小品(キリスト教の美徳よりむしろ魔法の冒険が主題)という事実は、誰かの家を飾る目的だったことを示唆しています。カンヴァスに描かれたこの油彩画は、安価な顔料と金箔を使って安上がりに制作されたようです。 

P.S. こちらは、聖ゲオルギウスと竜を主題にした東方正教会風の作品。相違点(あるいは類似点)をいくつ見つけられますか?

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