Rembrandt van Rijn
今日紹介する絵に描かれているのはおそらく、豊かな衣装を着たギリシャの哲学者アリストテレスで、何世紀も前に『イーリアス』や『オデュッセイア』という不朽の文学作品を残したホメロスの胸像に物憂げに手を置いています。アリストテレスは、力を持っていた弟子アレクサンドロス3世の横顔が彫られた金のメダルを着けています。この哲学者は、自身の現世での成功と、ホメロスの時空を超えた偉業とを比較しているのかもしれません。本作は典型的なオランダ作品だとされてきましたが、実際は、濃い色彩とほとんど彫刻のような厚塗りの絵具が特徴的なレンブラントのスタイルがアムステルダムで流行外れとなり始めた頃に、シチリアのパトロン、ドン・アントーニオ・ルッフォのために描かれたもの。興味深いことにドン・ルッフォは主題を指示しなかったうえ、レンブラントが何を描くか知らなかったにもかかわらず、すでに本作を、偉人の肖像を飾っていた大広間へ架けたがっていたのです。10年後、レンブラントは『詩を口述するホメロス』と、失われた『アレクサンドロス大王』の絵をドン・ルッフォのために制作しました。
この絵にはさまざまな解釈がありますが、最も一般的なのは、レンブラント作品の中心のテーマは熟考の思想であるという主張です。彼の絵の人々は物思いに耽るような目線をしており、それが彼の作品に通底する主題をつくっています。また、画家は黒のエプロンを描きましたが、それは黒がメランコリーを表す色だからです。
P.S.「夜警」は正真正銘のレンブラントによる代表作です。この絵に関する知られざる15の真実はこちらをお読みください。
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