スイス生まれのドイツの画家オティリー・W・レーダーシュタインは、1900年前後の時代の傑出した女性画家の一人です。レーダーシュタインはフリーランスの肖像画家として、男性優位の美術界で確固とした地位を築き、当時一般的だった社会規範を堂々と打ち破ったのです。今日は、シュテーデル美術館の協力で「勝者」を紹介します。
彫刻のような堂々とした体躯、画面いっぱいを使ったフレーミング、大胆にモチーフを切り取った構図などは、彼女が師ハンス・フォン・マレイスから学んだ技法を自分のスタイルにアレンジしたもの。極端に様式化された人物描写によって、非常に写実的で客観的な表現となっています。レーダーシュタインは暗い色合いを好み、伝統と前衛の両面の文脈で当時流行していたテンペラの画法も活用しました。後には印象派や象徴主義といった新しいスタイルにも取り組みましたが、1920年代になると本来のレーダーシュタインらしい様式に回帰しました。
P.S. 美術史に残る男性の裸体を見てみましょう!
P.P.S. オティリー・レーダーシュタインは、女性画家ポストカード50枚セットにも入っています。