リュート弾き

カラヴァッジョの『リュート弾き』には２つのバージョンがあります。１つはサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館の所蔵。もう１点は、今日紹介するウィルデンシュタイン・コレクションの私蔵品。２点ともほぼ同サイズで、柔和な顔立ちと非常に豊かな茶色の髪、突き出た唇、半開きの口、くっきりとした太い眉を持ち、物憂げな表情を浮かべた少年が描かれています。前をはだけた白いシャツには、裸体を描こうとした画家の意図がうかがえます。髪に編み込まれたリボンは中性的な特徴を強調していますが、女性のドレスのようにシャツの胸の下に施された幅広のヨーク（切り替え布）も同様の効果を与えているようです。近年では、このモデルはカストラート（去勢された男性歌手）だという説もあります。左上方の高窓から射す光が形作るのは、画面の右上隅の明るい小さな三角形。明るく照らされた人物は、陰影のある背景を背に大胆に浮かび上がっています。

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P.P.S. カラヴァッジョはバロック期を代表する画家。彼の10点の傑作を通して、カラヴァッジョ芸術を学んでみませんか。