ハーモニー by Malvin Gray Johnson - 1934年 - - ハーモニー by Malvin Gray Johnson - 1934年 - -

ハーモニー

油彩/カンヴァス • -
  • Malvin Gray Johnson - January 28, 1896 - October 4, 1934 Malvin Gray Johnson 1934年

今日で2月も終わり。黒人の歴史特集月間も最終日です。お楽しみいただけましたでしょうか。

マルヴィン・グレイ・ジョンソンは、ハーレム・ルネサンスの時代の著名な画家。敬意を持って、威厳あるアフリカ系アメリカ人の肖像を描いたことで知られています。興味深いことに、彼の代表作の中にはニューヨークのハーレムではなく、ヴァージニア州で制作されたものもあります。アフリカ系アメリカ人のコミュニティの精神を、時にユーモアを込めて描く独特の腕前は、高い評価を獲得。上り調子だったジョンソンが38歳の若さでこの世を去ったことは、大きな衝撃でした。それは、彼がニューヨークに戻った直後のことで、ヴァージニアで制作した作品の個展の開催を目前に控えた時期でした。

古典主義の影響を受けたジョンソンの初期の画風は、ナショナル・アカデミーでアフリカ彫刻やキュビズム、セザンヌのポスト印象主義などに触発されて、大きく進化を遂げます。色と光の実験を始めたジョンソンは、単純化された形状と鮮やかな色彩を特徴とし、アフリカのイメージを採り入れた「象徴的抽象」と言われるスタイルに移行していきました。 画風が変わっても肖像画と風俗画に取組み、感情に訴える作品を生み出していくジョンソン。中でも『Swing Low, Sweet Chariot』とRoll, Jordan, Roll,』はアメリカ文化へのユニークな貢献が認められ、高く評価されました。 

ハーレム・ルネサンス絶頂期の只中のジョンソンの突然の死は、美術界にとって大きな喪失であり、友人や批評家たちは悲しみに暮れました。1930年代の美術館やギャラリーはアフリカ系アメリカ人の芸術に重きを置いていなかったがために、多くの作品は置き去りにされたり、紛失の憂き目に会い、現存するのはわずか60点ほど。それらは、スミソニアン・アメリカン・アート美術館やハンプトン大学美術館をはじめ、全米各地のコレクションに収蔵されています。

P.S. ハーレム・ルネサンスのことをもっと学びましょう!それは、アフリカ系アメリカ人のコミュニティに、アートで自らを表現するチャンスを初めてもたらしたムーブメントです。