オフィーリア by John Everett Millais - 1851–1852年 - 76.2 cm × 111.8 cm オフィーリア by John Everett Millais - 1851–1852年 - 76.2 cm × 111.8 cm

オフィーリア

油彩/カンヴァス • 76.2 cm × 111.8 cm
  • John Everett Millais - June 8, 1829 - August 13, 1896 John Everett Millais 1851–1852年

今日は不朽の名作を紹介します。

『オフィーリア』は、最も有名なラファエル前派の作品の一つ。シェークスピアの『ハムレット』の登場人物、小川で溺れてしまうオフィーリアの劇的な死を描いています。

この絵のモデルは、当時19歳のエリザベス・シダル。ラファエル前派のアメリカ人画家ウォルター・デヴェレルが帽子屋で見つけた女性です。彼女は1860年にミレイの友人、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティと結婚することになりますが、それはまだ先のこと。主題とする場面を出来る限りリアルに描きたかったミレイは、オフィーリアの溺死を再現するために、水を張ったバスタブの中でエリザベスにポーズを取らせ、水を温めるためにその下にオイル・ランプを置きました。制作に没頭していたミレイは、ある時ランプが消えたことに気づかず、ないがしろにされたエリザベスは、制作の過程でひどい風邪をひいてしまいました。公的医療制度もなく、薬も簡単に入手できなかったので、父親が財政的支援をしていた開業医の世話になり、エリザベスはまもなく回復。結局、医療費を請求されたミレイは、それを弁済したのです。 

ロイヤル・アカデミーに初めて出品した時は、好悪の入り混ざった反響がありましたが、後には、その美しさと自然の情景の正確な描写、そして他の画家へ与えた影響から、19世紀半ばの最も重要な作品の一つとして認められました。

P.S. 今日の作品は、世界で最も名高い作品の一つ。有名な絵画のポストカード・セットをチェックしてみてください!

P.P.S. ジョン・エヴァレット・ミレイが、最も有名なイギリスの劇作家に着想を得たのは、この作品だけではありませんでした。シェークスピアに材を取ったミレイのミステリアスな作品9点はこちら!ラファエル前派については、下記のコラムもご覧ください。