このケンタウロスのモザイク画は、ティヴォリ近郊に位置する、豪華さと芸術的豊かさで知られる、ハドリアヌス帝の広大な別荘で18世紀に発掘されました。風景や動物、演劇用の仮面などを描いた小ぶりのモザイク画数点と共に発見されたこの作品。これは、比較的控えめな中央パネルあるいはエンブレマであり、かつては別荘のメイン・ダイニング・ルーム(トリクリニウム)の床を飾る精巧な装飾の一部でした。
モザイク画に描かれているのは生き生きとしたドラマチックな場面。 神話に登場する上半身が人間、下半身が馬の生き物ケンタウロスと、獰猛なネコ科の動物との激しい衝突。画面下部に広がる大きな大地の裂け目の上のごつごつとした岩地で、雌雄のケンタウロスが攻撃を受けています。後ろ脚で立ち、倒れた仲間を助けようと突進しながら、身を護るために石を頭上に掲げる雄のケンタウロス。雌のケンタウロスは、虎に脇腹に爪を立てられて地面に押さえつけられています。雄の必死の抵抗、そして足元には爪を引っ込めてぐったりとした血まみれのライオンの死体。それでも戦いはまだ終わりそうにありません。遠くの岩場の風景は、岩石の多層構造と微妙な色彩のグラデーションによって見事に表現され、奥へと遠のいていくようです。そして迫りくる新たな脅威。一頭のヒョウがまさに跳びかからんとしています。
古代ギリシアの初期芸術では、ケンタウロスは野蛮な獣のような姿で描かれていましたが、時が経つにつれて人間的な特徴が強調されるようになりました。例えば、2世紀の作家ルキアノスは、紀元前400年頃に活躍した著名な画家ゼウクシスを、穏やかな田園風景の中のケンタウロスの家族を描いた肖像画で名声を博した人物として記述しています。 同様に、ローマの詩人オウィディウスは、ケンタウロスの夫婦の悲劇的な運命を感動的に書き、ケンタウロスに同情的な視線を向けました。
P.S. 古代のビキニ・ガールについて聞いたことがありますか?このモザイク画をご覧ください!もっと知りたい方は、石とガラスで刻まれた、驚くべきローマの床モザイク画にまつわる物語をどうぞ!
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