レ・ザリスカンはアルルへと続く古い道。古代ローマや初期キリスト教の時代の墓が道路脇に点在し、ポプラ並木のある長い道は、ゴッホが生きた当時には既に良く知られた観光名所であり、アルルに住む男女が腕を組んでそぞろ歩きをするには最適の場所でした。
『散る紅葉』でゴッホは視点を高く置いているので、鑑賞者は描かれた場面を見下ろすような格好になります。地平線は見えず、中央の3本の樹が前景にせり出していることで、日本の浮世絵に似た、変わった構図になっています。ちなみに、樹々は元々紫色でしたが、赤い顔料が変色したことで青くなっています。
左側の二人の人物、「年老いた男性と玉のように丸い、太った女性」は、選び抜かれた僅かな線だけで戯画のように描かれていますが、これはゴッホが浮世絵から学んだ手法です。3番目の人物、赤い服を着た若い女は、アルルの「恋人たちの小径」で恋人を探す女性たちを象徴しているようです。
今日の作品は、クレラー=ミュラー美術館の協力で紹介しました。
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