船出 by Paul Klee - 1927年 - 50 x 60 cm 船出 by Paul Klee - 1927年 - 50 x 60 cm

船出

油彩、カンヴァス • 50 x 60 cm
  • Paul Klee - December 18, 1879 - June 29, 1940 Paul Klee 1927年

私たちは毎月、偉大な芸術コレクションを一つ特集しようとしています。5月は、ベルンのパウル・クレー・センターを特集します :) お楽しみください、そして良い日曜日を!

船やボートの描写は、クレーの作品全体に一貫して見られます。しかし、このテーマの積み重ねが際立って明らかになるのは、1920年代末のこと。1926年のエルバ島での休暇の後、翌年の夏にクレーはフランス南岸沖のポルケロルという小さな島を訪れました。8月末にはそこから船でコルシカ島へと旅したので、その間の年に港や船の描写がより多くの数見られることは、あまり驚くべきことではありません。クレーはポルケロル島から、妻リリーにこんな手紙を書いています。「あちこちに、青い海を漂い過ぎゆく船が見えて、僕はとにかく動いていたくなる。」

1927年に描かれた絵画《船出》では、幾何学的に構築された眩い色の形が、暗い背景に映えています。船やその帆は、それぞれ独立した平面をリズミカルに重ね合わせることで形作られていて、ピンクと赤の色調で描かれています。冷たい青色の円はおそらく満月で、構図全体の上に浮かんでいます。それとは反対に、右下の際の方には、同じく冷たい色合いで描かれた三角形がありますが、これらは崖のように見えます。小さな矢印は、題名で言われている船出の動きの象徴として進路を示しています。

1921年から、クレーはヴァイマル(ワイマール)校で、そしてその後デッサウ校で、バウハウスの講師として勤めました。バウハウスに所属していた頃には、様々なことの中でも、平面をリズミカルに接合することに取り組みました。ですが、卓越したバイオリニストとしての一面を持っていたクレーは、音楽のリズムやポリフォニーも参考にしました。そのため、例を出せば、クレーは指揮棒の動きを追ってそれを線へと置き換えたのです。絵に描かれた船の帆は、こうした音楽への没頭を表現しています。