1週間前から本格的に冬の季節が始まり、世界各地に寒波が到来しています。冬を予感すると、これから数カ月間、閉じこもりたくなりがちですが、雪の美しさに癒されるのもまた一興です。
オランダの画家ルイス・アポル(1850-1930)は、冬の風景を描くことを生業としていたので、寒くて雪の多い、冬の美しさとそのリアルの両方を理解していたのでしょう。実際、アポルは氷と雪をこよなく愛し、1880年には北極探検隊にも参加しています。
オランダには、冬を表現する伝統的な手法が何世紀にもわたって伝わっていましたが、アポルは主に風景や天気に着目した、数少ないオランダ人画家の1人でした。彼はよく作品中の人物や動物、季節の動きを最小限にしたり、完全に無くしたりしました。
アポルの作品は、全体的に落ち着いた色調で、白や灰、茶、褐色などの色調を中心に、明るめの色を適度に使って、明るさや生命感を醸し出しています。彼の絵は寒冷で人の気配のない風景ではあるものの、決して殺風景で生気がないようには感じられません。むしろ、冬の天気がいかに優雅で、穏やかで、そして幻想的であるかということを教えてくれるのです。今度雪が降ったら、この作品を思い出してみてください。