ラ・ベッラ・マーノ by Dante Gabriel Rossetti - 1875年 - 46 × 62インチ ラ・ベッラ・マーノ by Dante Gabriel Rossetti - 1875年 - 46 × 62インチ

ラ・ベッラ・マーノ

油彩/キャンバス • 46 × 62インチ
  • Dante Gabriel Rossetti - 12 May 1828 - 9 April 1882 Dante Gabriel Rossetti 1875年

ロセッティはこの絵の1年後に『ラ・ベッラ・マーノ』(英語ではThe Beautiful Hand)というソネットを完成させており、この視覚的表現が詩のインスピレーションとなった可能性があります。額縁に描かれた2連の詩は、ロセッティが幼い頃から慣れ親しんでいたイタリア語で書かれています。

ソネットの内容はこのようになっています。

汝の愛しき手よ、汝の甘美な自我は、汝の純粋で清白な要素に宿る。その昔、どこかで愛の婦人が降臨し、生まれた。[...]王家の賢者は指輪や腕輪を身にまとい、ヴィーナスの処女性の花、汝の姉妹のような甘いバンドの間で輝いてゆく、乙女心をくすぐる繊細な会話で。汝が汝であるまで、永遠に白く、柔らかく。ああ、手よ!恋人の手にハートの贈り物を。

ロセッティの晩年の作品の多くがそうであるように、この作品には物語性がありません。その代わりに、翼のある従者たちに支えられたヴィーナス、という愛の擬人化のイメージとなっています。ディテールに富んだこの絵は、中心的な図に代表される精神的、地上的な愛といったテーマに寄与しています。また、ヴィーナスが海から生まれたことを象徴するホタテの貝殻など、さまざまなシンボルがこのテーマを強調しています。ベッドを映し出す凸面鏡が、まるで後光が差しているかのようで、現在もしくは未来の恋人を誘惑しているのです。