キツネ狩り

今日は冬の始まり、冬至です！

ウィンスロー・ホーマーは1890年以降、アディロンダック山地での狩りや釣り、メイン州プラウツ・ネックの海岸や海の情景など、「自然主義的」題材を好んで描くようになりました。ここでは、腹をすかせたカラスに脅かされて深い雪の中を走るキツネの姿が描かれています。彼の作品の中でも１点ものとしては最大の本作は、「最も偉大なダーウィン的ホーマー作品、彼の様々なタイプの絵画の中でもほぼ間違いなく最高の傑作」と評されてきました。画家は、飢えたカラスの群れから逃れようと深雪の中を必死に駆けるキツネの姿を描くことで、メイン州沿岸部の冬の残酷な現実を劇的に表現しました。翼を広げて降下し、逃げまどうキツネの頭上に不気味に迫る黒い塊。キツネの視点からの情景を目撃する鑑賞者は、高まる緊張感の中で感情移入を促されます。日本の浮世絵に影響を受けて入念に構想された構図が、劇的な効果を与えているのです。

今日の作品は、数々の名作を収めた2022年版のデイリーアート週めくり卓上カレンダーにも採用されています。こちらからチェックしてみてください。

P.S. アメリカの美しい景観を探究したウィンスロー・ホーマーの興味深い物語は、こちらでご覧になれます。