二人の使徒たちの頭部と手 by Raphael Santi - 1519年から1520年頃 - 49.9 x 36.4 cm 二人の使徒たちの頭部と手 by Raphael Santi - 1519年から1520年頃 - 49.9 x 36.4 cm

二人の使徒たちの頭部と手

黒色チョーク • 49.9 x 36.4 cm
  • Raphael Santi - 1483 - April 6, 1520 Raphael Santi 1519年から1520年頃

素晴らしいアシュモレアン博物館からもう一点ご紹介します。お楽しみください!

ラファエロの全てのドローイングの中でも間違いなく最も印象的なものであるこれらの習作は、後に『主イエスの変容』の構図に完璧に生かされました。ラファエロはこれらの習作において複雑な体の動きの主要な部分を磨けあげると同時に、野心的な大作に向けての構想をも見据えています。また本作には彼独自の対照表現が為されています。若さと老い、横顔と斜め前を見た顔、何か疑問を持っているように握り締めた手と何かを受け入れるように開いた手、などです。

これらの雑多なものをラファエロは黒色チョークで見事にまとめています。彼は繊細な影からしっかりと明確な印、そして自由な曲線と直線までチョークを自由自在に使いこなして表現しました。巨匠らしい巧みさで、ラファエロは知性と、この習作の主要なテーマである動きとの統合を果たしています。

2017年6月1日公開のアシュモレアン博物館の特別展示『ラファエロ そのドローイング』で、どうぞご覧ください。