向日葵のある自画像 by Anthony van Dyck - 1633年 - 58.4 × 73 cm 向日葵のある自画像 by Anthony van Dyck - 1633年 - 58.4 × 73 cm

向日葵のある自画像

油彩、キャンバス • 58.4 × 73 cm
  • Anthony van Dyck - 22 March 1599 - 9 December 1641 Anthony van Dyck 1633年

1599年のこの日、偉大なバロック時代の画家の一人である、アンソニー・ヴァン・ダイクが生まれました。彼はイタリアとフランダースで大成功を味わった後に、イギリスの主要な宮廷画家となりました。イギリス王チャールズ一世の肖像画で最もよく知られていますが、そこに流れるくつろいだエレガントさは、その後150年に渡り、イギリスの肖像画に軸となるような影響を与えました。

この《向日葵のある自画像》は、現在はウェストミンスター公爵個人蔵となっていますが、描かれたのはヴァン・ダイクの名声が頂点に達した頃、すなわちイギリス王チャールズ一世によってナイト爵位に叙され「主席宮廷画家」となっていた頃のことです。チャールズ一世から与えられた金の鎖を身に着け、大きなひまわりの花を手に持っていますが、それが象徴するものについてはかなり議論がなされています。ひまわりの花は、芸術家のポーズと鏡合わせになっているように見えます。ヴァン・ダイクは自分自身を、その王族への献身が太陽の軌跡を追いかけるひまわりの生まれながらの性質になぞらえられるような、理想的な廷臣として描いたと同時に、絵画芸術は高貴なものだという主張も推し進めたのです。