若き殉教者 by Paul Delaroche - 1855年 - 67.3 × 58.3 in 若き殉教者 by Paul Delaroche - 1855年 - 67.3 × 58.3 in

若き殉教者

油彩 キャンバス • 67.3 × 58.3 in
  • Paul Delaroche - July 17, 1797 - November 4, 1856 Paul Delaroche 1855年

この作品はドラローシュの史実への忠実さと戯曲的センスを表すと同時に、キリスト教徒の殉教という史実を描いた作品の中に、劇的かつ情緒的な効果を強調する浮世離れした後光を描き加えることによって、彼の情緒性をも鮮明に表しています。

表面上、この絵が描いているのは若いキリスト教女性のテベレ川での殉教です。キリスト教徒がその信仰ゆえに組織的に迫害された、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの治世下における殉教を示唆したものです。約19年間に及ぶ治世の間、多神教徒だったディオクレティアヌスはAD.303年から311年の間、国家による迫害令を制定していました。この法律のもとで、キリスト教徒たちは収監や処刑を恐れて自分たちが信仰していない神々への改宗を余儀なくされました。

ドラローシュが描いている殉教者が女性であることも注目に値します。この絵は妻ルイーズ・ヴェルネが1845年に若くして亡くなったことへの応答だったと考えられます。彼は妻の死後彼女への敬意を込めて、有名な連作を描いています。

今日の作品はデイリー・アートの利用者ミッシェルさんが紹介してくれました。皆さんも、特に好きな作品があったらデイリー・アートまでお知らせください!