少女に手を振る窓辺の女 by Jacobus Vrel - c. 1650 - 47.5 x 39.2 cm 少女に手を振る窓辺の女 by Jacobus Vrel - c. 1650 - 47.5 x 39.2 cm

少女に手を振る窓辺の女

油彩 キャンバス • 47.5 x 39.2 cm
  • Jacobus Vrel - 1654 - 1662 Jacobus Vrel c. 1650

私はこの絵が大好きなのです。この絵はオランダ絵画黄金期らしい絵ですが、非常に現代的でもあります。そして謎に満ちています。背中を向けるミステリアスな女性はいったい誰なのか。時間が止まってしまったかのような絵です。この絵で何を描きたかったのか、正確に言い当てるのは難しいでしょう。女性のポーズは何を意味しているのでしょうか?ガラス窓にピタリと当てた掌。少なくとも歓迎しているようには見えません。椅子をひっくり返さんばかりで、何か急を要する出来事が起こっているようです。

この絵は謎に包まれていますが、この絵を描いた画家もほとんど知られていません。作者のブレルは、市井の生活を描いたことと透視画法を駆使したことで有名なピーテル・デ・ホーホと同じ会派に属していたようです。ブレルがどこで生まれたのかはわかっていませんが、オランダのデルフトとハールレムで創作活動を行なっていたものと思われます。彼の名はジャンといわれることもあればジェイコブといわれることもあり、姓もFrel, Frelle, Vreele, Vrelle, そして Vrielという具合に異なるスペルで表記されることがあります。また彼の作品はエサイアス・ブルスのものとしばしば混同されるので注意が必要です。

それではまた明日!

P.S. 窓辺に佇む女性を描いた選りすぐりの絵画はこちら。画家達の永遠のテーマですね。ぜひご覧ください!