モエマ by Victor Meirelles - 1866年 - 129 x 199 cm モエマ by Victor Meirelles - 1866年 - 129 x 199 cm

モエマ

油彩、キャンバス • 129 x 199 cm
  • Victor Meirelles - 18 August 1832 - 22 February 1903 Victor Meirelles 1866年

昔むかし、モエマという名の美しい先住民がいました。彼女は16世紀のブラジルに住んでいたトゥピナンバ族でした。ある日、遭難した船乗りが現れました。彼はヨーロッパからやってきた、ディオゴという者です。彼はすぐに部族の信頼を得て、モエマの心も掴みました。ふたりは恋に落ち、たいへん幸せに暮らしました。というハッピーエンドで終わってもよさそうですが、そうはいきません。モエマとの出会いの後、ディオゴは近くの部族のパラグアスに出会います。彼は彼女と恋に落ちてしまい…、そして、どうなるかおわかりでしょう。彼はモエマのもとを去ってしまいます。船が現れ、ディオゴが故郷へ帰れることになった時、彼は新しい恋人のパラグアスを連れて行きました。去りゆく船を見ながら、モエマはディオゴの名を叫び、彼に追いつこうと泳ぎました。船は水平線へ消えていきました。恋に敗れ、海にも敵わず、美しい先住民は死んでしまい、沈んでいきました。この物語は、1781年にフライ・デ・サンタ・リタ・ドゥランが書いた叙事詩「カラムル」がもとになっています。

ビクトル・メレーレス(1832-1903年)は、画家であり、さらにアカデミー・オブ・ファインアーツで人気の教師でした。彼は、物語が終わった後のモエマに起こったであろう場面を描きました。亡くなった彼女は、ディオゴと最初に出会った海岸にいます。これは、ブラジル最初の住民が暮らす架空の自然を描いた、理想化された肖像画です。

- Rute Ferreira