最後の一滴(浮かれた紳士) by Judith Leyster - 1639年 最後の一滴(浮かれた紳士) by Judith Leyster - 1639年

最後の一滴(浮かれた紳士)

油彩 キャンバス •
  • Judith Leyster - c. July 28, 1609 - February 10, 1660 Judith Leyster 1639年

立っている人物が洋服の上に着ている装束を見ると、これが「パンケーキの日」(「告解の火曜日」または「マルディグラ(謝肉祭の最終日)」)であることがわかります。これはレント(四旬節)の前夜で、来る断食と禁欲の期間に備えて多くの人々は大食いに走ります。この絵はそのような暴飲暴食の果てを描いています。「浮かれた紳士」ともう一人の男は、骨っぽい手の中に不吉な砂時計と髑髏を捧げ持つ恐ろしげな骸骨を気にしていない様子です。

このような場面はヴァニタス(寓意的な静物画)の世界ではよく描かれるものです。下を向けたビールのジョッキと煙をあげるパイプは、パーティが終わったことを意味しています。骸骨が捧げ持っている砂時計は、どんちゃん騒ぎの間にも時は止まることなく流れていくことを強調しています。一方この作品と対を成す『メリートリオ』という絵では、本当の楽しみは節制の中にこそあると示されています。

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