シュトルバの箱 by Unknown Artist - 19th century半ば シュトルバの箱 by Unknown Artist - 19th century半ば

シュトルバの箱

  • Unknown Artist Unknown Artist 19th century半ば

本日の家具は (そう!これも芸術です!)、スロバキア国立博物館のご協力のもとお届けします。ブラチスラバ城内にあるSNM歴史博物館では、2019年6月28日から9月29日まで、「博物館の中の家具展」を開催しています。

指物師によって作られた収納箱は、中世からヨーロッパ全体で知られています。今回お見せした箱の主たる装飾モチーフはハートで、花々やその中でも際立つチューリップが添えられています。民衆の間のイメージでは心臓は命の座であり愛の象徴でしたから、ハートのモチーフはスロバキアの民衆の装飾品に広く見られます。チューリップはトルコからの影響を受けて16世紀にヨーロッパに根付きました。装飾品を飾る要素としては、ヨーロッパ全体の民衆が作った作品に広く見られます。スロバキアにおいても、チューリップは家具によく描かれています。

こういった箱は、衣服や穀物、食べ物を貯蔵するのに用いられていました。軟材でできており、平たい蓋は鍛冶屋の作った蝶番で取り付けられています。たいていは植物をモチーフとした装飾が描かれていることが特徴で、空いたところはところどころ彫刻の飾りや後からも曲げることのできる飾りなどで埋められていて、はめ込みの飾りが用いられることはめったにありません。これらの家具は各工房秘伝の独自のルールにのっとって指物師が装飾を描きます。装飾のモチーフは、下地の上にのりと卵テンペラで描かれました。絵の描かれた家具は、18世紀後期から1870年代にかけてスロバキアで花開きました。

美しいでしょう?

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