ユピテルとセメレ by Gustave Moreau - 1896年 - 2,13 m x 1,18 m ユピテルとセメレ by Gustave Moreau - 1896年 - 2,13 m x 1,18 m

ユピテルとセメレ

油彩、カンヴァス • 2,13 m x 1,18 m
  • Gustave Moreau - April 6, 1826 - April 18, 1898 Gustave Moreau 1896年

《ユピテルとセメレ》は、フランス象徴主義の画家ギュスターヴ・モロー(1826-1898)が描いた絵画です。これの元となったのは、ディオニュソス神の母である人間セメレと、セメレの恋人である神々の王ユピテルが登場する古典的な神話です。セメレは、ユピテルの妻である女神ユーノーから不誠実な助言を受けた結果、ユピテルに対して、神の威光全てを身にまとった姿で現れてほしいと頼み込みました。ユピテルは喜んで願いを受け入れましたが、そうする中で、神の雷によって暴力的な死をセメレにもたらしてしまいました。この絵が表現しているのは「神聖化された肉体的な愛」と、ユピテルが栄光をまとった姿を表した時にセメレを破滅させた抗いがたいほどの体験、すなわちそれは「非常に単純で、最も贅沢にオーガズムを想像させるような表現」なのです。この作品について、モローはこう記しています。「放出された神の力に貫かれ、この献身によって再び生みだされ、清められたセメレは、稲妻によって死に、そしてヤギの蹄を持った地上の愛の守護神も彼女と共に死ぬのだ。」 モローはこのカンヴァス画について、こう説明しています。「礎も屋根もなく、びっしり生えた打ち震える植物が覆う想像上の巨大な建物の真ん中には、この聖なる花の女神がいて、星に溢れたアーチ状の天井や空の砂漠を背景にして際立っており、度々呼びかけられた神は、未だヴェールに覆われた威光に包まれた姿で現れるのだ。」