画面から飛び出しているかのような新聞紙。テーブルの上のマッチ棒は立体的で、つまみ取れそうです。ウィリアム・ハーネットは、不思議な目の錯覚を利用して、だまし絵(トロンプ・ルイユ)の静物画のスタイルを確立した画家。中産階級の顧客から大いに人気を博しました。
ハーネットは、トレド(オハイオ州)の薬剤師イサック・N・リードからの注文で本作を制作しました。リードは、ハーネットの活動拠点だったニューヨークに商用で出かけることがあったようです。本、パイプ、ろうそく、バイオリン、折りたたまれた新聞紙は、ハーネットのお気に入りの小道具でした。描かれている新聞紙は、1886年9月17日発行のトレド・ブレード紙。後に『ザ・ブレード』と名前を変えて、今でもトレドの日刊紙として親しまれています。
今日の作品はトレド美術館の協力で紹介しました。
P.S. もう一人、超写実絵画の画家ルイージ・ルチオーニを紹介します。写真のような静物画をこちらからご覧ください。
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