ジョルジョ バルバレッリ
今月紹介させていただいたドレスデン美術館の特集はこの名作で締めくくりたいと思います。この作品はアルテ・マイスター絵画館、そして世界で最も有名な作品のひとつです。ジローラモ・マルチェッロが結婚する際、ジョルジョーネに依託したものだと考えられ、女神ビーナスを描いています。彼女の付き人であるアモールも彼女の足下で弓矢で遊んでいる姿で描かれていました。けれどもアモールの劣化が激しく1837年に草原に塗り替えられてしまいました。（レントゲン撮影では部分的にアモールの姿が見えます。）1525年の書記によるとこの作品はジョルジョーネが制作を始めティツィアーノ完成させたといわれています。しかし絵画の状態と度重なる修復作業からどの部分がどの画家によるものなのかは今となってはわかりません。
この絵の依頼者は眠れるビーナスが披露宴に招かれ、新婚のカップルの愛を育む手助けをするというラテンの祝詩からテーマも思いついたのかもしれません。ジョルジョーネの描いた眠る女神は和やかな空気をまとい、彼女のなだらかな曲線美はやわらかい背景に続きアルカディアン、楽園の平穏を感じさせます。
では、素敵な日曜日をお過ごしください！
P.S. 愛の女神を描いた作品は芸術界にあふれています。こちらからどうぞ（近代の作品も含まれています！）