金細工師ヤン・デ・レーウ by Jan van Eyck - 1436 - 33 cm × 27,5 cm 金細工師ヤン・デ・レーウ by Jan van Eyck - 1436 - 33 cm × 27,5 cm

金細工師ヤン・デ・レーウ

油彩 木板 • 33 cm × 27,5 cm
  • Jan van Eyck - before c. 1390 - July 9, 1441 Jan van Eyck 1436

ヤン・ファン・エイクは最初期の肖像画家の一人です。彼の時代に肖像画というジャンルは独自の発展を遂げました。当時の有力者達は、貴族階級がかつてそうであったように、絵に描かれることで社会的な地位を誇示したいと切望していました。ファン・エイクの肖像画群は、対象を注意深く観察して描くという初期オランダ肖像画の基礎を作りあげました。彼は当時あまり知られていなかった存在をモデルにし、 彼らの内面や性格までも捉え、目の色や目尻のシワに至るまで風貌の細かい部分も丁寧に描いています。また、例えばこの金細工師ヤン・デ・レーウのようにモデルの視線をこちらに向けることで、モデルと鑑賞者との間に親密さを生みだしています。

ところでヤン・デ・レーウとはどんな人物だったのでしょう。ファン・エイクにはモデルの名前と日付を額に記す習慣があったため、この人物が12世紀初頭ブルージュに実在した金細工職人だったということまで調べることができました。この人は1441年には金銀細工職人組合の長にも選ばれています。

今日取り上げた絵は世界で最も有名な美術館の一つウィーンの美術史美術館所蔵です。

P.S. ヤン・ファン・エイクについて押さえておきたい10のポイントはこちらをごらんください!