ソファに横たわる裸婦 by Ernst Ludwig Kirchner - 1905年 - 8.2 x 10 cm ソファに横たわる裸婦 by Ernst Ludwig Kirchner - 1905年 - 8.2 x 10 cm

ソファに横たわる裸婦

黒で刷られた木版画 • 8.2 x 10 cm
  • Ernst Ludwig Kirchner - 6 May 1880 - 15 June 1938 Ernst Ludwig Kirchner 1905年

エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーは、時代を代表する画家。画家であり、版画家、彫刻家でもあったキルヒナーは、1905年に「ブリュッケ」という画家グループを結成し、20世紀モダン・アートの発展と表現主義の創造に大きな影響を与えました。

若い頃のキルヒナーは、アトリエでヌードを描いたり、都市の夜の風景画や肖像画を制作していました。1910年以降はアフリカやインド、オセアニアの芸術からの影響が徐々に強くなり、1911年にはブリュッケの画家たちと共にベルリンに拠点を移します。しかし、ブリュッケは1913年に解散。ドラマチックな「ベルリンの街並み」の連作を制作した1913年から1915年の期間が、画家として最も脂が乗った時期でした。1915年、キルヒナーは「不本意な志願兵」として入隊し、砲兵連隊の運転手になりましたが、精神的にも肉体的にも疲弊し、兵役不適格とされて除隊。サナトリウムを転々として療養生活を送った後、スイスの山間に移り住み、風景や村人を好んで描くようになりました。1937年、ナチスは639点の絵画を国家のコレクションから除外します。キルヒナーの芸術も退廃的とのレッテルが貼られ、翌年、彼は拳銃自殺を遂げました。

キルヒナーはキャリアを通して版画に情熱を傾け、制作した版画は木版画、エッチング、リトグラフなど2,000点以上に及びます。彼は、ほとんどすべての作品を小さな版で自ら刷るという革新的なアプローチを採り、伝統にとらわれない、独創的な効果を生み出しました。今日の作品は、キルヒナーがブリュッケを創設した1905年の制作。気に入っていただけましたか。

P.S. ナチスに迫害を受けた画家はキルヒナーだけではありませんでした。ヒトラーが最も恐れた4人の画家はこちら

P.P.S. デイリーアート・ユーザの皆さま、ボランティアで翻訳とプルーフ・リーディングを手伝っていただける方を募集中です。興味のある方は是非こちらをご覧ください。