シマウマとパラシュート by Christopher Wood - 1930年 - 45.7 × 55.9 cm シマウマとパラシュート by Christopher Wood - 1930年 - 45.7 × 55.9 cm

シマウマとパラシュート

油彩、キャンバス • 45.7 × 55.9 cm
  • Christopher Wood - 7 April 1901 - 21 August 1930 Christopher Wood 1930年

クリストファー・ウッド (1900-1930) はリヴァプール生まれの画家で、早逝したにもかかわらず、モダニズムやアヴァンギャルド運動に大きな影響を与えました。ウッドは鉄道に飛び込み自殺しましたが、これはアヘンに非常に依存していたためと考えられます。《シマウマとパラシュート》は異国情緒のあるタッチとシュルレアリスム的な雰囲気で描かれ、《虎と凱旋門》とともにウッドの絶筆となっています。この絵はアンリ・ルソーによる素朴派の作風に影響を受けたものでしょう。

背景にはモダニズム建築の建物が描かれていますが、これはウッドがパリに住んでいた頃からよく知っていた有名な建築家、ル・コルビュジエがデザインしたサヴォア邸にインスピレーションを受けています。モニュメントの独特な輪郭線がシマウマの縞模様と対照をなしています。この絵画は現実にはあり得ないものと芝居がかったものを、古典的なシュルレアリスム的に配列させたものです。実際にウッドはシュルレアリスムの画家兼詩人として、予期せぬものの組み合わせ (シマウマ、建物、パラシュート) を作品の中に入れています。この妙な組み合わせによって、ウッドは奇妙で夢のような雰囲気を作り出しているのです。一部の批評家がシマウマに現代の動物園の表象を見出すとしたら、みじめに揺れている落下傘兵が描き加えられることで、超現実的な歪みと神秘的な感覚が加わるということになります。

葬式の花が山積みになった棺桶のようにも見える、盛り上がった花壇の近くに描かれたシマウマは、二つの主な斜め線の収束点に位置することから焦点の中心にあり、一方で影の輪郭線は、目線をパラシュートへと導きます。パラシュートははっきりとした色で描かれており、この絵の中ではうまいことキャンバスの端の方に配置されており、対して他の部分に使われているのは控え目な色です (白、黒、灰色、灰色がかった青)。

このシマウマが、同じくシマウマの頭が描かれた《画家の部屋 (The Painter’s room)》  (1944) の作者である画家ルシアン・フロイドに影響を与えた可能性があります。そこで描かれた赤と黄色のシマウマは、ウッドの描いたパラシュートとシマウマ両方に対する、ルシアン・フロイドなりの賛辞だったのかもしれません。

- Tony Goupil

P.S. 私たちはあのシュルレアリスムの界隈が大好きです!シュルレアリストの中には、才能あふれる女性芸術家たちがたくさんいるということをご存知でしたか? 女性シュルレアリストたちとクリスチャン・ディオールが送った賛辞はこちら <3