ヘルマニア・シグバルディネ・ニアゴーは花と静物を専門としたデンマークの画家。当時、女性と男性では、画家になるための機会は平等ではありませんでした。女性は美術教育機関へ入学できず、教育機関の周辺で発展した私設学校からの教師や専門家を個人で雇って授業を受けるしかありませんでした(それも婚前のみ)。女性はヌードの描写も認められていませんでしたが、それは当時の画学生のカリキュラムの基礎。よって多くの女性画家は、必然的に静物画へ向かうほかなかったのです。
ヘルマニア・ニアゴーは肖像画の制作もしていましたが、デンマーク王室が彼女の作品を“まとめ買い”し始めたことで、花の画家として大いに認知されるようになりました。ちなみに、この作品はコペンハーゲン国立美術館の所蔵品ですが、同館が1846年に入手したとき、かろうじて乾いたところでした。
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