海の風景 by Anton Melbye - 1854年 海の風景 by Anton Melbye - 1854年

海の風景

油彩、キャンバス •
  • Anton Melbye - 13 February 1818 - 10 January 1875 Anton Melbye 1854年

アントン・メルビューの生誕200年を記念して開かれる大展覧会のため、ヒアシュプロング・コレクションがハンブルクのアルトナ博物館へ加わります。メルビューは生前、広範囲で名声を得ており、彼の作品はデンマーク王室や貴族だけでなく、ハンブルクやパリ、イスタンブールなど国外の有名なクライアントにもたいへん需要がありました。メルビューは、海上や海辺を主なテーマとし、モチーフを劇的で雰囲気たっぷりの魅力的なセンスで描いていました。

現在では、メルビューは海洋画家として最もよく知られていますが、彼の作品にはあらゆる風景画があります。パリの環境が特にお気に入りでしたが、トルコのドラマチックな風景もドローイングやオイルスケッチで表現していました。彼の国際的なキャリアや、国際的な運動と結びついた主題選びのため、19世紀半ばまでに「国」と「ヨーロッパ」との対比で充満されたデンマークの芸術政治界において、彼は次第に無名となりました。芸術批評家は、メルビューをヨーロッパ人の一人と分類したのです。国家としてのデンマークや、デンマーク人とは何かといった壮大な物語が深まっていった時代、メルビューやその他ヨーロッパ人の芸術は、国内物語の同調の外でした。

アントン・メルビューの展覧会では、ほとんど忘れられてしまった芸術家を紹介しています。ヒアシュプロングコレクションは、デンマークで初めて行われるメルビューの展覧会に出展することで、海が、国際的な繋がりや連帯、展望、感情、劇的な政治出来事の背景となった、見落とされてきたけれど大切な物語への関心を呼びかけています。