セーヌ川の舟遊び by Pierre-Auguste Renoir - 1875年 - 71 x 92 cm セーヌ川の舟遊び by Pierre-Auguste Renoir - 1875年 - 71 x 92 cm

セーヌ川の舟遊び

油彩 • 71 x 92 cm
  • Pierre-Auguste Renoir - February 25, 1841 - December 3, 1919 Pierre-Auguste Renoir 1875年

この絵に描かれている場所は正確には特定できていませんが、おそらくシャトゥー(パリ中心部から西へ約10マイルの町)辺りのセーヌ川でしょう。まさに印象派らしい情景です。ルノワールは、着飾った女性、手漕ぎボート、ヨット、橋を渡る蒸気機関車など、印象派でお馴染みのモチーフを複数描き込んでいます。

モチーフの選択のみならず、その描き方にも印象派の特徴が顕著です。黒や暗い色を避け、明るい色の絵の具を混ぜずにチューブから直接カンヴァスに置いていくことで、夏の暑さと光を表現しています。濃い青色の水面に明るいオレンジ色のボートを浮かべて、補色の関係にある2つの色を隣り合わせに配置することで、より鮮やかな色彩効果を生み出しています。

P.S. ルノワールの絵には、当時のパリの生活が生き生きと記録されています。”魚のように無表情”なモデルとして知られていた女性が、劇場の桟敷席に座る姿をこちらから覗いてみてください。そして、こちらはこの絵を描くためにロンドンへの旅を延期したと言われている作品。(ルノワールは、ランチの席で、アメリカの画家ジェームズ・マクニール・ホイッスラーにこのことを白状しています)